FORTUNEに時計店としての実態はあったのか?
FORTUNEに時計店としての実態はあったのか?
2022~2023のFORTUNE事件において、中野正人(本名:伊藤誠)はロレックスのバイヤーを名乗り、株式会社FORTUNEはロレックスなどの高級外国製腕時計を取り扱う時計店という位置付けであった。
株式会社FORTUNEに時計店という実態はあったのであろうか?
結論から言うと、予想通り、株式会社FORTUNEには、時計店と判断できるだけの商取引の記録や腕時計の入出庫、顧客への販売の記録は確認できなかった。高級外国製腕時計のメーカーは勿論、販売代理店や同業他社との商取引の記録すらも確認できなかった。確認できなかったというより、法人としてのビジネスの書類がまったく存在しなかったというのが適切であろう。
株式会社FORTUNEの破産申請後、社内資料などが開示されているが、それらの資料には時計店と判断できるものは存在しなかった。取締役の成澤一仁からもそのように判断できる資料の提出はなかった。
また、株式会社FORTUNEには時計店としての店舗はなく、参宮橋と南青山にワンルームの賃貸オフィスがあっただけである。賃貸オフィス内に人が常駐しているわけでもなく、時計が保管されていたわけでもない。法人所在地として賃貸契約がなされていただけである。
東京商工リサーチ様の協力のもと、株式会社FORTUNE、株式会社G.GATE、株式会社SP SHIELDの3社の調査を行ったが、FORTUNEのみならず、G.GATE、SP SHIELDも同様のペーパーカンパニーであったことが判明している。これらの3社には、他の法人との商取引は勿論、契約すらも確認できなかった。
伊藤誠は、当然のことではあるが、高級外国製腕時計のバイヤーなどではなく、生粋の詐欺師であり、伊藤誠が設立した法人はすべてペーパーカンパニーだったのである。