FORTUNE 事件の被害者の回想録
FORTUNE 事件の被害者の回想録
2023年11月末のFORTUNE事件の被害者の回想録です。この被害者は、初めて参加した株式会社FORTUNEの香港渡航で事件に巻き込まれています。報酬はおろか、一度もクレジットカードの決済資金すらも貰えていないとのこと。最初から騙されています。被害者が事件に遭遇した香港渡航でのロレックス買付の詳細が描かれている貴重な回想録です。
2023年フォーチュン事件の被害者の回想録
1.プロローグ
私は、信頼していた友人Aに誘われて、2023年11月初旬に株式会社FORTUNEのロレックス買い付けの香港渡航に参加したところ、
その月末にFORTUNEのゼネラルマネージャーの中野正人、本名、伊藤誠が音信不通・行方不明になり、FORTUNE事件に巻き込まれました。
私は、クレジットカードに多額の債務を抱えることとなり、弁護士の支援を受けながら、クレジットカード会社との交渉や
日本の警察による詐欺事件としての立件を目指した活動を続けております。
2. FORTUNE香港渡航への参加に至るまで
2020年からの長かった新型コロナウイルスによるパンデミックがようやく終息し、2023年5月に新型コロナウイルスは第5類に
移行されました。海外渡航の制限が大幅に緩和されるとのニュース報道が相次いでおりました。
そうした状況からしばらくたった時、友人Aから無償で香港に渡航することができ、香港の時計店でロレックスを
クレジットカードで買い付けるだけのアルバイトがあるが、参加してみないかと誘われました。
その友人Aは、すでに5回ほど、その香港渡航に参加していて、都度、クレジットカード決済代金と報酬を受け取っているとのことでした。
また、ロレックス買い付けで利用しているクレジットカードにPayPayポイントなどのクレジットカード独自のポイントが
加算され、そのポイントを利用してコンビニエンスストアで買い物もできているとのことでした。
私は仕事も多忙だったため、断っておりましたが、その友人Aに何度も誘われていたこともあって、断り続けるのも
申し訳ないと思い、とりあえず1度だけとの考えで参加してみることにしました。
私は、香港には渡航したことがなかったので、無償で香港に渡航できるのであれば悪くないなと言った気軽な気持ちでの決断でした。
しかし、この判断は、今となっては、取り返しのつかない判断となってしまいました。
3. 香港へ
私は、2023年11月初旬の株式会社FORTUNEのロレックス買付の香港渡航に参加しました。
参加にあたり、香港渡航前に、私は株式会社FORTUNEの関係者と面会することはありませんでした。
また、電話やLINEでのやり取りもありませんでした。
香港渡航までの航空券やホテルの予約情報は、その友人Aから送られてきました。
私がクレジットカードを何枚保有しているかとか、私の職業などの事前のヒアリングもありませんでした。
私のパスポートの情報は友人Aを介して送っていただけでした。
クレジットカードも友人Aに言われるがままに用意しました。
「香港までの渡航費用を無償で負担するのに、会社からそうした確認がないのはおかしくないだろうか?」という疑問を感じ、
心配になりましたが、まだ会社を立ち上げの時期で、会社にそうした余力もないのかなと思ったりもしておりました。
私は、友人Aと他の3人のバイヤーと羽田空港に集合し、キャシーパシフィック航空の午前10時の便で、香港国際空港に向かいました。
香港国際空港に到着すると、株式会社FORTUNEのゼネラルマネージャーを名乗る中野正人という人間が現れました。
実際には、中野正人も同じ飛行機に搭乗していて、中野正人はビジネスクラスでの搭乗であり、搭乗直前までラウンジにいたため
搭乗口のロビーでは会わなかったとのことでした。
私は、友人Aから、「中野正人は、毎月、何度も羽田空港と香港を往復している敏腕のロレックス買付のバイヤー」と
聞かされていたので、若手のビジネスマンだと思っていたのですが、実際にはかなり年配というか、老人と言えるような風貌でした。
私と友人Aを含めた5人のバイヤーは、この中野正人に連れられ、香港国際空港からタクシーで香港の中心街の尖沙咀に向かいました。
フォーチュンの香港渡航の初めの参加者は、私だけでした。
私は、香港自体が初めてでしたので、右も左もわからず、他の4人のバイヤーについて回りました。
香港国際空港から、香港の中心街の尖沙咀までのタクシーの中で、2人のバイヤーから
「10月の香港渡航時の報酬がまだもらえていない、支払いが遅れている」と聞かされました。
4. Swiss Watches (Tsim Sha Tsui)
香港の中心街の尖沙咀につくと、私達バイヤーは、Swiss Watches という時計店に連れられて行きました。
中野正人から、クレディセゾンのカードの所有者はここで決済するようにと言われました。
私もクレディセゾンのカードを保持していたので、中野正人からSwiss Watchesの店内に移動するように言われました。
Swiss Watches は、せいぜい10帖ぐらいのとても小さな時計店でした。
店頭のショーウィンドウに多少、腕時計の展示があるぐらいで、店内にはロレックスの展示はありませんでした。
私は、わざわざ、香港渡航してのロレックスの買い付けと言われていたので、香港の時計店は、かなりゴージャスな
ロレックスの専門店をイメージしていました。
そのため、正直、こんな小さな時計店でロレックスを買い付けできるのかと疑問に感じました。
私たちが Swiss Watches に入ると、そこには、店舗関係者と思われる 男性が 2 人いました。
その2人の人間は、中野正人が現れると、ニコニコと笑顔を浮かべながら、すぐにクレジットカード決済の準備をはじめていました。
中野正人は、私のクレジットカードのショッピング枠を聞き、自分のスマートフォンで、その金額のギリギリまで、
Swiss Watches の人間に香港ドルで決済を指示しました。
私は、レシートにサインを求められましたが、ロレックスの実物が渡されないことはおろか実物も見ないことに驚き、狼狽しました。
私は、商品のロレックスを受け取らないクレジットカード決済などあり得ないと思ったので、同行していた友人Aに
「話が違う」と問い詰めました。
しかし、友人Aは「大丈夫、中野さんがすべてうまくやってくれる」という回答で、その場ではもうどうすることも
できませんでした。私は、友人Aから、事前に商品未受領でクレジットカード決済をするなどとは一切、
話を聞いていなかったので、とても心配になりましたが、
他のバイヤー3人も慌てることなくクレジットカード決済していたので、ロレックスの買付とはこんなものなのかと思いつつ、
言われるがままにクレジットカード決済を済ませました。
私が、クレジットカード決済にあたって、商品のロレックスを一度も見ることはなく、また、買い付け対象の商品名すらも
不明のままの決済でしたが求められるがままに、レシートにもサインをさせられました。
5. PRINCE Jewellery & Watch (Causeway Bay)
中野正人と私を含めた5人のバイヤーは、Swiss Watches でのクレジットカード決済を済ませると、尖沙咀から、香港島のCauseway Bayに
地下鉄で移動し、Galaxy Mille Watch という時計店を訪問しました。
このGalaxy Mille Watch という時計店は、雑居ビルの中の小さな店舗で、とてもロレックスの専門店とは思えないような店舗でした。
店舗内には、ロレックスらしき時計の展示はありませんでした。
Galaxy Mille Watch に入店すると、オーナーと思しき老人と若い女性のスタッフからニコニコと笑顔で出迎えられました。
Galaxy Mille Watch では、同行した2人のバイヤーがクレジットカード決済をはじめました。
2人は決済するクレジットカードの枚数が多く、また、「楽天カードが一度で決済できず、細かく金額を分けて
複数回で決済する必要がある」とのことで、時間がかかりそうだと言われました。
そのとき、中野正人ともう一人のバイヤーが近隣のPRINCEという時計店を見に行くと言い出しました。
友人Aが、「今後、PRINCEも利用することになるから、中野さんについて行って見て来いよ」というので
私もPRINCEに同行することになりました。
PRINCEも香港島のCauseway Bayにある時計店で、Galaxy Mille Watch から歩いて5分ぐらいの距離でしたが、
週末と言うこともあり、Causeway Bay はとても混雑していて、少し時間がかかりました。
PRINCEに入店すると、マネージャーと思しき女性が近寄ってきて、話しかけてきましたが、中野正人は英語ができないらしく、
「ケリー、ケリー、電話」というようなことを日本語で言い、その女性マネージャーは電話をし始めました。
女性マネージャーはケリーと連絡が取れたらしく、クレジットカード決済の準備をはじめました。
同行していたバイヤーがクレジットカード決済を始めましたが、買い付けに必要なクレジットカードのショッピング枠が
足りないとのことで、私は、中野正人から「ここでクレジットカード決済してください」と言われ、急遽、
PRINCEでクレジットカード決済することになりました。
PRINCEでも、やはり、買い付ける商品のロレックスを見ることはなく、また、商品名もわからないまま、
クレジットカード決済させられ、レシートにサインをさせられました。
クレジットカード決済の金額は、中野正人と女性マネージャーから指示されました。
6. Galaxy Mille Watch (Causeway Bay)
PRINCE でのクレジットカード決済を終えると、私は、中野正人ともう1人のバイヤーは Galaxy Mille Watch に戻りました。
すでに、2人のバイヤーはクレジットカード決済を終えておりました。
私は、中野正人に言われるがままに、2枚のクレジットカードの決済を済ませました。
1枚のクレジットカードは、海外ロックがかかっていて決済できませんでしたが、中野正人は中野正人のスマートフォンで
サポートセンターに電話をかけ、オペレーターが出ると、私は、応対するように言われました。
日本のクレジットカード会社のオペレーターが海外ロックを解除したようで、クレジットカード決済は完了しました。
今思うと、私は、抵抗してでも、ここで海外ロックは解除するべきではありませんでしたが、周囲の人間から注目を
浴びておりましたし、香港への無償渡航を提供している株式会社FORTUNEのゼネラルマネージャーからの指示でしたので、
そうしたことはできませんでした。
Galaxy Mille Watch でも、クレジットカード決済対象のロレックスは見ていませんし、商品名すらもわかりませんでした。
Swiss Watches と PRINCEと同様に、レシートにサインをさせられ、さらに、白紙のインボイスにサインをさせられました。
この白紙のインボイスは、事件発覚後、クレジットカード会社にチャージバックを申請した際に、商品名が後書きで追記され、
反証に使われました。チャージバック申請はすべて不成立となりました。
7. 夕食
私の後で、もう1人のバイヤーがクレジットカード決済を済ませると、中野正人と私を含めたバイヤー5人は、尖沙咀のホテルに戻り、
その後、尖沙咀のミラホテルの近隣の千両という寿司屋に行き、夕食を取りました。
尖沙咀の寿司屋では、フォーチュンを去っていった宮澤源二の話などが話題に上がりました。
友人Aは、中野正人のロレックスビジネスに心酔していたので、「どうしてコロナ渦前からのバイヤーはいないのか?」などと
質問しておりました。
寿司屋のネタは日本産のものが多く使用されているようでした。
この寿司屋は満席で、順番待ちのお客さんが多数、列を作っていました。
尖沙咀は夜もとても活況で、多くの人でにぎわっていました。
食事を終えると、中野正人と5人のバイヤーは解散となりました。
バイヤーのホテルは同じでしたが、中野正人がどこのホテルに宿泊するのかは不明のままの解散でした。
中野正人は、常に黒の大きなトランクを引きながら移動していたのですが、FORTUNE事件後、中野正人はそのトランクで現金を
持ち運びしていたと知ることになりました。
私たち、バイヤー5人は、翌日、日本へ帰国しました。
1泊2日の慌ただしい香港渡航でしたが、無事に帰国できたことにほっとしました。
8. バイヤー契約書
香港渡航後、数日経って、経理担当の成澤一仁から「バイヤーの契約書を郵送するので、署名捺印して返送して欲しい」と
LINEで連絡がありました。その後、契約書がレターパックで郵送されてきたので、署名捺印して返送しました。
契約書とは思えない簡素な内容でした。
9. フォーチュン事件発生
2023年11月27日になって、友人Aも含めて、株式会社FORTUNEのバイヤーが大騒ぎになりました。
10月に渡航したバイヤーたちに、クレジットカード決済に必要な資金が、株式会社FORTUNEから振り込まれなかったということでした。
毎月27日は、多数のクレジットカード会社の支払い日になっていて、ほとんどのバイヤーが決済不履行になっておりました。
しかも、株式会社FORTUNEの中野正人とまったく連絡がとれなくなっていて、音信不通だということでした。
私は、最初のクレジットカード決済を12月4日に控えており、正直、何が起こっているのか理解できず、非常に狼狽しました。
私は、12月4日、11日、27日とクレジットカードの決済が続きましたが、やはり、私にもクレジットカード決済に必要な資金は振り込まれず、
私もクレジットカード決済は不履行となりました。
その後の、バイヤーの調査で、中野正人は実は、偽名であり、クレジットカードとロレックスの買い付けを使った有名な詐欺師である、
伊藤誠と判明しました。
私は、クレジットカード決済の不履行が続き、クレジットカード会社から支払い催促の電話が止まらくなりました。
私は、中野正人、本名、伊藤誠に連絡を取ろうと、必死にLINEにメッセージを入れたり、電話を掛けましたが、つながりませんでした。
LINEのアカウントは、すでにブロックされていて、既読にはなりませんでした。
経理担当の成澤一仁は既読にはなるものの、既読スルーされ、一度の返信もありませんでした。
私の身に起きた事実に愕然とし、何も手が付かなくなりました。
他のバイヤー達は、株式会社FORTUNEの代表取締役社長のもとを訪問したり、警視庁に相談に行ったりと皆、慌ただしい動きになりました。
10.エピローグ
インターネット上の情報によると、伊藤誠は、2006年タイ事件、2007年マカオ事件、2019年中野ブロードウェイG.GATE事件の首謀者であり、
インターポールから国際指名手配されたこともある人物とのことでした。
しかしながら、これらの事件は、すべて、海外で起こされていて、日本の警察は介入することができず、いずれの事件も立件されていないとのことでした。これらの事件の被害者は泣き寝入りで、クレジットカード上の債務を抱えて、自己破産や債務整理に追い込まれた人が多かったようです。
FORTUNE事件の被害者も、クレジットカード上に高額の債務を抱えて、クレジットカード会社から厳しい支払い催促を受けており、
精神的に追い詰められ、まったく予断を許さない状況です。
私自身もFORTUNE事件後、対応の多忙さと心理的な不安からかなり体調を崩しました。
現在も尚、心療内科に通院し、薬を服用しながら生活を続けております。
なんとか、日本の警察が伊藤誠を立件して、事件が解決してくれることを願っております。
以上