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2018年~2019年 中野ブロードウェイ G.GATE事件
2018年から2019年にかけて、中野ブロードウェイB1Fプチパリにあった G.GATEという時計店でクレジットカードを使った詐欺事件がありました。G.GATE事件も主犯は伊藤誠であり、共謀者は成澤一仁、海老根リリーでした。
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中野ブロードウェイ事件の大まかな流れ
2018年上半期
•バイヤーの渡航先はシンガポール
•バイヤーはシンガポールの時計店を自分で回って、買い付けるロレックスを探す必要があった。
2018年下半期
•バイヤーの渡航先は香港
•海老根リリーが通訳と香港の時計店の開拓担当で加わり、バイヤーは海老名リリーから指定された時計店で決済すればよくなり負担が減った。
•海老根リリーがバイヤーの決済に応じて、香港の時計店からマージンを抜いていたことが分かっている。
2018年年末
•G.GATEは、バイヤーがシンガポールや香港で買い付けていたロレックスを密輸していたため、密輸担当のT氏が身柄を拘束され、その後、中野ブロードウェイのG.GATE店舗に家宅捜索が入った。
•東京税関の家宅捜索を機に、伊藤誠が店舗の姿を見せなくなった。
•坂梨兼太が年末までに飛んでいている。
2019年1月
•中野ブロードウェイのG.GATE店舗が閉鎖され、G.GATE店舗は中野サンプラザの貸店舗に移転した。
•このころから、バイヤーへの決済資金と報酬の支払いの滞りが発生し始めた。
•フォーチュン事件では、全てのバイヤーを対象に一度に伊藤誠が音信不通・行方不明となったが、G.GATEでは渡航グループ単位で支払いを停止されている。
•支払いを止められたバイヤーから請求が来ると、伊藤誠は、「横領にあった」などのいつも言い訳でバイヤーを追い返す。
•LINEグループ上で、伊藤誠を非難するメッセージが流れるようになった。
2019年3月
•このころまでに、G.GATEのほとんどの小口のバイヤーが伊藤誠と音信不通になっていて、多大な詐欺被害が発生。一部の大口バイヤーはまだ生き残っていた。
•バイヤーの主体は、東京から大阪に移る。大阪のバイヤーを伊藤誠に紹介したのが、東京の大口バイヤーのK氏。
2019年7月
•伊藤誠がロレックス密輸の件で、千葉県警で逮捕される。
•大口バイヤーのK氏とG氏が千葉県警を訪問して支援。K氏の支援で、伊藤誠は都内の弁護士事務所と契約。
2019年9月
•伊藤誠が釈放される。
2020年1月
•新型コロナウイルス感染拡大に伴い、海外渡航は大きく制限されることとなり、この時期までにほとんどのバイヤーが伊藤誠と音信不通・行方不明になっている。
バイヤー募集と詐欺スキーム
1. 求人サイト・求人広告
「アルバイトついでに海外旅行がタダでできる」という内容の求人で、海外でロレックスの買い付けをするバイヤーを一般の求人サイトで募る。
2. 海外渡航は無償提供(伊藤誠の詐欺パターン・フォーチュン事件も同じ)
渡航費と滞在費は、株式会社GGATEの負担でバイヤーを海外旅行に行かせる。日本の警察の介入を防ぐために、必ず、海外渡航させる。海外で詐欺を実行する。
3. 個人のクレジットカードでロレックスを買い付け指示(伊藤誠の詐欺パターン・すべての事件に共通)
バイヤーに個人のクレジットカード決済でロレックスの買い付けを指示する。
4. ロレックスを現地スタッフに手渡す
購入されたロレックスは、現地のGGATEのスタッフが受け取る。買い付けした金額に手数料6%を上乗せして、バイヤーに後日、清算・支払いをする。
5. このスキームも数回、回してバイヤーを安心させる
数回は、このスキームでのロレックス買い付けが継続し、報酬を支払い、バイヤーを信用をさせる。バイヤーの知人紹介・口コミ紹介で更に新規バイヤーを増やす。
6. 支払いの停止
その後、いつも通りバイヤーに海外にロレックスの買い付けに行かせるが、ロレックスの持ち逃げや現金の横領の被害に遭ったと吹聴し、バイヤーへの精算を止める。あるいは、現金が不足していると説明し、GGATEからの支払いが順次遅れ始める。
7. 音信不通・行方不明
精算を求めてバイヤーがGGATE店舗に現れると、伊藤誠グループは、ロレックスの持ち逃げや横領のグルであると弾弓し、支払いを拒み出しバイヤーとの連絡を断ってゆく。
8. バイヤーグループ単位で報酬を支払いと停止を実行
新しいバイヤーにはロレックスの買い付けと経費精算を続け、その知り合いを新規のバイヤーとして更に紹介させ、リクルートする。
9. 被害者の警察への通報
伊藤誠グループの詐欺被害にあったバイヤーのグループが騒ぎ始め、警察に被害を届け出すも、海外での事件であるため、被害届は受理はされない。伊藤誠は、これらをすべて織り込み済み。残りのバイヤーも前回買い付け分のクレジットカード精算が残っているので、表立ってGGATEを非難することもできず、半信半疑の状態が続きながら引き続き買い付けに行かされる。
10. 最後
最後に自分も何らかの因縁やトラブルを押し付けられ、支払いを拒まれ、連絡を断たれ、結局は自分も被害者の1人となる。
ロレックス買い付けの実態
2018年の上半期はシンガポールにバイヤーを渡航させ、ロレックスを買い付けしていた。買い付けにあたって、バイヤーはシンガポールの時計店を回り、買い付けするロレックスを自分で探す必要があった。しかし、やがて、シンガポールの時計店から買い付けを断られるようになった。
シンガポールでロレックスの買い付けがしづらくなったため、2018年の下半期は、渡航先が香港に切り替えられた。香港では海老根リリーが登場。海老根リリーがロレックスを買い付けする時計店を開拓したため、バイヤーを買い付けする時計店を探す必要はなくなった。
香港でバイヤーがロレックス買付を指示された店舗は、Kam Kee Watch
海老名リリーは、バイヤーが香港の時計店でクレジットカード買い付けする際、時計店と共謀して、数パーセントのマージンを抜いていたことが確認されている。
ロレックスの密輸と消費税の不正還付申請
G.GATEではバイヤーが買い付けしたロレックスは、専門の別のバイヤーが密輸していた。密輸されたロレックスは中野ブロードウェイの近隣の時計店に売却され、これとは別に、中国人観光客に売却したことにして消費税の還付を受けていた。中国語のできる専門のスタッフが雇われ、消費税還付のための書類作成や中国人観光客との交渉を行っていた。しかし、頻繁にロレックスを密輸していたバイヤーのT氏が東京税関に拘束され、中野ブロードウエイGGATE店舗に家宅捜索が入った。GGATE店舗には、ロレックスを売却したことにする中国人観光客のパスポートのコピーなどが散乱していたことが確認されている。
バイヤーへの告知
バイヤーへの報酬の受け取りに関する告知掲載
経理担当の成澤一仁からバイヤーへの支払いが遅れるという連絡
2019年1月前後からバイヤーへの未払金が発生していたことが確認されていて、成澤一仁から、支払いが遅れることの予告メール。「GGATE経理」は経理担当の成澤一仁。
伊藤誠からバイヤーへの支払いが遅れるという連絡
g.gate と言うLINEの相手は、伊藤誠
支払いが滞り始めた時に、坂本純一がバイヤーの味方のフリをしている時のLINE
じゅんというLINEの相手は、坂本純一
G.GATE事件の主要メンバー
伊藤誠
成澤一仁(右)
伊藤誠の腹心で右腕と言われる人物。G.GATE事件、フォーチュン事件ともに経理担当。株式会社G.GATEの支配人、株式会社フォーチュンの取締役として履歴事項全部証明書に記載あり。
成澤一仁(画像はフォーチュン事件後の2024年撮影)
伊藤誠(右)と坂本純一(左)
坂梨兼太(G.GATE→WithWatch)
バイヤーの運営・管理から、マニュアル作成、Webサイト作成など幅広く事件に関与
ドーモン・ラダー(ラダー伊藤)
2006年のタイ事件から伊藤誠の詐欺を幇助
中野ブロードウェイ店舗の管理人(山田)
2019年に入って、東京税関の家宅捜索が入りG.GATE店舗が閉鎖され、無人かつ真っ暗になって周囲からクレームが来たため、伊藤誠が送り込んだ店番の老人。
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