2023年 FORTUNE事件

2022年~2023年11月 FORTUNE 事件サマリ

フォーチュン事件のサマリを纏めました。

FORTUNE事件の登場人物

FORTUNE事件の概要

フォーチュン事件の詐欺スキームは、2019年の中野ブロードウェイG.GATE事件と同一です。フォーチュン事件もG.GATE事件と同様に、主犯は、伊藤誠(偽名:中野正人)であり、経理担当は成澤一仁、香港スタッフは海老根リリー(偽名:ケリー)です。

株式会社FORTUNEは、コロナ渦の2022年から大手の求人サイトでバイヤーを募集し、香港やマカオに渡航させ、バイヤー個人のクレジットカードでロレックスを買い付けさせておりました。このフォーチュンの香港渡航を取り仕切っていたのが、フォーチュンのゼネラルマネージャーを名乗る中野正人です。

中野正人とフォーチュンは、バイトルやindeedなどの大手求人サイトに「日当2万から5万」、「月収100万円も可能」、「海外旅行ついでアルバイト」などのキャッチコピーでバイヤーを集めていきました。

社員T井田やバイヤーMなどもバイヤーの面接や渡航のアテンドをしておりました。

不動産会社社長Kは、南青山オフィスに出入りし、バイヤーにクレジットカード会社の営業を紹介して、新規にクレジットカードを作らせたりしておりました。

2023年5月に新型コロナウイルスが第5類に移行して、海外渡航制限が大幅に緩和されました。フォーチュンの海外渡航に参加するバイヤーもどんどんと増えていきました。

中野正人はバイヤーに対して、以下のようなクレジットカード決済スキームを提示し、バイヤーに香港でロレックスを買い付けさせておりました。

まずは、通常のクレジットカード利用形態をご確認ください。

中野正人はバイヤーに対して、下図のようなクレジットカード決済のスキームを提示し、実行させていました。具体的には、バイヤー個人のクレジットカードでロレックスの買い付けを行わせて、クレジットカードの決済日までに、「クレジットカードの決済金額+報酬(決済金額の5%)」を支払うというものでした。

確かに、2023年3月頃まではバイヤーは香港で実際にROLEXを買い付けしておりました。しかし、2023年3月以降は、バイヤーの買い付け先は香港島のGalaxy Mille Watch に固定され、店頭でROLEXの現物を見ることはなくなりました。

2023年3月以降、バイヤーはクレジットカード決済する際に買い付け対象の商品(ロレックス)を見ることはなくなりました。具体的な商品名も分からず、お店に入ると店員がクレジットカード決済の準備をし、クレジットカード決済だけを要求されました。勿論、商品は渡されず、商品未受領で退店、日本へ帰国することになりました。

伊藤誠の説明は、バイヤーがクレジットカード決済した金額を纏めて、別途、ロレックスを買い付けに来るというものでした。

2022年から2023年10月まで、中野正人・FORTUNEとの契約通り、クレジットカード決済資金と報酬(クレジットカード決済金額の5%)がバイヤーに支払われていました。

中野正人は香港でバイヤーを高級レストランでもてなしました。このことでバイヤーは中野正人を信頼し、また安心感をもちました。そして、バイヤーは知人紹介で友人を新たなバイヤーとして中野正人に紹介しました。バイヤー自身も報酬を増やそうとして、クレジットカード枚数を増やしたり、クレジットカードのショッピング枠を増額しました。

伊藤誠は、ロレックスの買い付け資金として現金を融資してくれれば、わざわざ香港に渡航しなくても報酬を支払うとバイヤーに提案し、バイヤーの中にはロレックスの買い付け資金として、現金を月利6%で中野正人に融資した人もいました。

中野正人は、2023年11月になると、バイヤーに「ロレックス デイトナ ル・マンが欲しい」と連呼して高額決済を求めるようになりました。

そのため、バイヤーは中野正人の期待に応えようと高額のクレジットカード決済をしました。

しかし、2023年11月27日に中野正人が突然、音信不通になり連絡が取れなくなりました。毎月27日は利用者数の多い「楽天カード」や「PayPayカード」の決済日でしたが、中野正人からのクレジットカード決済資金の振り込みはなく、バイヤーのほとんどが11月27日のクレジットカード決済することができず不履行になりました。そして、60人以上のバイヤーは、クレジットカードに多額の負債を抱えることになりました。

その後、バイヤーが集まり、著名な時計店などの協力を得て、中野正人を調査をした結果、中野正人は、実は、本名は、伊藤誠という名前であり、2019年の中野ブロードウェイG.GATE事件の首謀者だと判明しました。

伊藤誠がロレックスの買い付け先として指定されていた香港のGalaxy Mille Watch では、バイヤーが毎週、多額のクレジットカード決済を行いましたが、実際には、ロレックスの購入に使われることはなく、Galaxy Mille Watch のオーナーから伊藤誠にキャッシュバックされていたことも分かっております。

伊藤誠の行方は依然として掴めておらず、また、高額のクレジットカードの債務もバイヤーに残ったままとなっております。

FORTUNE事件発覚後の出来事

FORTUNE事件発覚からわずか4日後に経理担当で共謀者の成澤一仁は、株式会社FORTUNEの取締役に就任しました。そして、古閑弁護士を選任し、半月も経たない12月12日付でバイヤーにFORTUNEへの債権の申告を求めてきました。用意周到に当初から計画倒産を企ていたことが分かります。

チャージバック申請に対する虚偽・不正の反証

FORTUNE事件の被害者は、2023年11月末の事件発覚後、多額のクレジットカード債務を抱えることになりました。そのため、クレジットカード債務の無効を訴えて、クレジットカード会社にチャージバック申請を挙げました。FORTUNE事件の被害者は、クレジットカード決済させられましたが商品は受け取っておりません。

しかしながら、ここでも、Galaxy Mille Watch とSwiss Watches の虚偽・不正の反証に苦しめられております。

FORTUNE事件でのクレジットカードの使い分け

FORTUNE事件のバイヤーは香港島のGalaxy Mille Watch でクレジットカード決済するように指示されておりました。しかしながら、セゾンカードやアメリカンエクスプレス(AMEX)、ダイナースなどは、Galaxy Mille Watch で決済できないような設定がなされておりました。これは、クレジットカード会社がGalaxy Mille Watch での決済を認めていなかったためと思われます。そのため、これらのクレジットカードは、チーサムチョイのSwiss Watch で決済するように指示されておりました。Galaxy Mille Watch と Swiss Watch は姉妹店です。

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