
マカオ事件(2007年)
新聞の折り込みの求人広告にフラッシーカラーズという会社名義でアルバイトの募集を出す。山本理恵こと本名・鬼頭理恵という伊藤誠の愛人が成田のホテルなどで面接を実施していた。
「アルバイトさんにはブランド品の買付のお手伝いをしてもらいます。クレジットカードをたくさん作って、限度額いっぱいまで増やしてきてください。クレジットカードの引き落とし日前日までに決済金額に3%上乗せした金額を振り込みます。旅行費用、宿泊代などはフラッシーカラーズが支払います。タダで海外旅行ができてアルバイトでお金も稼げます。」
現地に行くと初めて伊藤誠が現れます。
「高級時計をマカオで大量に買うと大幅に値引きされるので、それを日本に持ち込み、ドンキホーテなどに卸しています。大量に購入するので、一端、クレジットカードを切って現金に換えます。」
当時のマカオなどでは、質屋などでクレジットカードでキャッシングができました。伊藤誠はこの点を熟知していて、これを犯罪に利用しました。
バイヤーにはロレックスの現物を見せて、信用させます。実際には同じ時計を被害者のほとんどの方に見せていました。つまり伊藤の説明するビジネスは全く存在していませんでした。
バイヤーを集め、現地でもてなしクレジットカードを一人1,000万円前後まで使わせて、キャッシングさせているだけでした。
実際に何度か、約束通り振り込みされましたが、金が貯まった段階で1億8千万円を入れたスーツケースが盗まれたと嘘をつき、支払い不能になったと堂々と言ってのけました。
しかも犯行が実行された時にはダミーの社長・近藤和禎に会社を売ったから自分には責任がないと演技しました。
マカオ事件での詐欺スキーム
マカオ事件での主たる詐欺スキームは、マカオの質屋でクレジットカードのショッピング枠を現金化させた後に現金を奪う。別に用意したロレックスを見せてロレックスを買い付けたと嘘をつく。その後、ロレックスを売却した現金の入ったトランクが盗まれたと吹聴し、音信不通・行方不明